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がん教育 | 日本対がん協会

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(2) 対 が ん 協 会 報 2015年1月1日

しても、標準的な内容や考え方につい ては、教師が担っていく可能性はあり ますが。

がん教育の大きな可能性

――行政のがん対策部門からは教育委 員会が消極的という声もあります  確かにそういう議論は検討会でもあ りました。でも、私はがん教育には2 つの大きな可能性があると思います。 ひとつはそういう行政間の垣根がある としたら、それを地方行政レベルから 取り払う機会になる可能性。もうひと つは授業で現場の先生と専門家が協力 することで、学校現場に新しい風を吹 き込む可能性です。学校は年度計画を 立て忙しく活動が展開されますので、 がん対策部門側も、学校の年度計画策 定段階から参画していくことで、うま く協力していけるのじゃないでしょう か。

――日本対がん協会に期待することを 教えてください。

 先生たちが使えそうなわかりやすい 情報や資料、教材を提供して欲しい。 また、小児がんなどまだ情報の少ない がんの正確な情報なども提供してもら えると助かると思います。

(聞き手 日本対がん協会広報グルー プマネジャー 本橋美枝)

活用して、がんを通じて命の大切さを 教えたり、人生の価値を教えたりする のが良いと思います。

現場の教員が担えるように

――先生が各地でされている教職員向 けの研修の内容を教えて下さい。  先日ある高校の1年生の保健の授業 で、保健体育の教員が行ったがん教育 の授業の内容を詳しく紹介しました。 というのも、今各地でモデル授業が行 われていますが、大半は医師など専門 家かがん経験者が講師で、現場の教師 が実践したケースはまだ少ないから です。もちろん日本中の小中高校に医 師が出向いていただければ理想的です が、現実にはなかなか難しいですね。 実際には小学校なら担任の先生、中学 校と高校では保健体育の教師や養護教 諭などが中心にならざるを得ないでし ょう。そこで現場の先生たちを支え、 自分たちでもこういう授業がやれるん だという自信を持ってもらうことが大 切と考えています。

――現場の不安は大きいですか  小さくないと思います。現状では保 健体育教師の養成課程でがん教育に ついてはあまり習って来ていません し、3次予防(治療)については現行の 指導要領には入っていません。ですか らそこは専門家と分担するのが良いと 思います。個人的には検討委でまとめ た「がん教育の具体的な内容」のうち、 「発生要因」「疫学」「予防」「早期発見・検

診」までは現場の教師が中心で、「治 療(手術、放射線、抗がん剤)」「緩和ケ ア」「生活の質」「共生」については医師 や、がん経験者などに中心となって担 ってもらうのが良いと思います。もち ろんこれからの指導の手引きや研修の あり方次第では、最新の動向は無理に ――がんのことを学校で学ぶ意義とは

 がんは今や国民の2人に1人がかか る国民病なので、正しい知識を教える ことは、国民の教養として非常に重要 なことです。また、がんを通して、病 気の予防の概念や、早期発見や検診の 大切さ、病気の基本や克服といった、 保健の基本的な教養を教えるにふさわ しい題材だとも考えています。生涯保 健の発想から、今の子どもたちへ教え ることによって、大人になった時にも 健康で暮らすためのメッセージになる と思います。

学習指導要領への明確な位置づけ必要

――そのためには今の学習指導要領の ままでは難しいですか

 今の学習指導要領にもがんについて の記載はあります。ただ、位置づけが 生活習慣との関わりの項目に偏ってい ますし、検診や予防なども含めたひと まとまりとしては扱っていません。ま ずは、がんを明確に位置づけることが 大事です。そうなれば授業で扱うため のニーズが生まれ、指導の手引きや教 科書ができたり、研修を実施したりと いったことにつながります。

――「がんの教育に関する検討委員会」 の報告書では2つの目標として、①が んに関して正しく理解する②命の大切 さについて考える、の2点を挙げられ ました

 学校教育というものは、通常の教科 学習以外にも、特別活動、総合的な学 習の時間、道徳といった様々な時間を 組み合わせて出来上がっています。そ ういう特徴を生かしてがん全体をバラ ンスよく学ぶことを考えて目標を2つ にまとめました。

 具体的には①保健領域で主に基礎知 識を教える②特別活動など他の時間を

シリーズがん教育❹

学校現場を理解し支えることが大事

聖心女子大学文学部教育学科教授 

植田誠治

植田誠治聖心女子大学教授

参照

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